教員による子どものトラウマケア
~教師は、子どもの心の傷にどう寄り添ったらよいのか~
トラウマとなる体験は,災害,事件・事故だけでなく,虐待,いじめ,暴力のほか,家族の死別や別離など様々な喪失体験です。アメリカで行われた逆境的小児期体験の疫学調査から,家族内の様々なトラウマとなりうる体験が将来の精神的な問題だけでなく,身体的な病気,経済・社会的な問題にまで及ぶことがわかって来ています。
このように様々な心の傷を抱えている子ども達が学校には在籍し,その背景について分かっている場合もあれば,そうでない場合も多くあるようです。学校では,そのトラウマを把握しようと努めるよりは,そのような子ども達もいるという認識を持って対応(トラウマインフォームドな対応)する必要があります。彼らには,しばしば様々な不適応行動(問題行動,身体症状,いじめ,不登校など)がみられます。このセミナーでは,このような対応を心掛けて実践されている3人の先生方に報告していただきます。